交通事故で被害者が使える保険の種類一覧

交通事故で被害者が使える保険の種類一覧

交通事故の被害に遭った場合、被害者の方が利用できる保険は実は加害者の保険だけに限られません。

交通事故でケガをしてしまい、加害者の方と連絡を取ってみたら、保険に加入していないと聞いて、補償が受けられないのではないかと不安に思っています。

交通事故で被害に遭った場合、加害者の保険だけでなく、被害者の方が加入されている保険が利用できる場合があります。被害者の方が利用可能な保険についてご説明いたします。

この記事の監修弁護士:浅尾 耕平
2010年12月弁護士登録(第一東京弁護士会)。
2021年ライトプレイス法律事務所共同設立。交通事故、労働災害をはじめ多様な事件に従事。

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目次

交通事故被害者が使える保険一覧

交通事故被害者が使える保険一覧

一口に保険と言っても、様々な種類の保険があります。そこで、交通事故被害者の方が利用可能な保険について詳しく解説します。

加害者(交通事故を起こした人)が加入している保険

まず、最初に検討すべきは加害者が加入している保険です。

自賠責保険

加害者が任意保険に加入していない場合、自賠責保険の利用が考えられます

自賠責保険は交通事故の被害者に生じた損害に対する最低限の補償が行われます。

そのため、金額が任意保険よりも低額になる傾向があります。また、示談代行サービスがないため、必要書類を揃えて請求する必要があります。

任意保険

交通事故で使われる任意保険の種類には以下のものがあります。

対人賠償保険

対人賠償保険は、交通事故で他人を死傷させた場合に使われる保険です

注意が必要なのは、対人賠償保険は他人が対象となるため、被保険者(加害者)、その配偶者、その一定の範囲の親族など、被保険者と特定の関係にある人が対象外となる点は注意しましょう。

対物賠償保険

対物賠償保険は、他人の物に損害が発生した場合に使われる保険です

交通事故で相手方の自動車を壊した場合がこれにあたります。
なお、対物賠償保険は被保険者の運転する自動車に生じた損害は対象外なので注意しましょう。

被害者自身が加入している自動車保険

交通事故のケースによっては被害者自身が加入している保険を利用する事も考えられます。

人身傷害補償保険

契約の車に乗っている人が死傷した場合に使えるのがこの人身傷害補償保険です。

人身傷害補償保険は、保険約款で定められた基準に従い、保険金が支払われます。

搭乗者傷害保険

契約時に特定した車に乗っている人が死傷した場合に使用できるのが搭乗者傷害保険です。

車に乗っている人が死傷した場合に使える点は人身傷害補償保険と似ていますが、搭乗者傷害保険では損害額にかかわらず予め定められた金額が支払われる点が異なります

車両保険

車両保険は契約時に特定した車に発生した損害を補償する保険です。

車両保険は人身傷害補償保険と同様に被害者側に過失があっても過失相殺がされません。

そのため、被害者の過失割合が比較的大きい場合に有利な保険です

他車運転特約

他車運転特約は文字通り他人の車を運転していた際に使用する保険です。

他車運転特約は、運転者自身の自動車に付保された自動車保険の特約のため、他車運転特約を使用するに当たっては、ご自身の自動車保険を確認する必要があります。

なお、レンタカーで交通事故を起こしてしまった場合の補償などについてはこちらの記事もご参考ください。

自損事故保険

自損事故保険は、文字通り自損事故の場合に発生した損害を補償する保険です。

自損事故の場合、事故の相手方がいないため自賠責保険などを用いることができません。

また、相手方がいないため加害者の任意保険などを利用する事もできません。
こうしたケースでは自損事故保険を用いて、自分自身の損害について補償を受けることになります。

無保険車傷害保険

無保険車傷害保険は、交通事故の被害に遭い死亡した場合や後遺障害が残った場合に加害者が自動車保険に加入していない場合や、加入していても補償内容が不十分な場合に使用する保険です。

弁護士費用特約

弁護士費用特約は交通事故の被害者が弁護士へ相談・委任を行った場合に生じる費用を補償するものです。

弁護士へ交渉を委任することで、弁護士基準での示談交渉ができます。

弁護士費用特約を利用することで、弁護士費用の負担を抑えつつ賠償額をより高くできる可能性があります

なお、弁護士費用特約についてはこちらの記事もあわせてご参考ください。

健康保険

病院で診療を受ける際に用いる健康保険は、交通事故によるケガの治療を受ける際にも利用可能です

交通事故の被害者の治療費は、加害者の任意保険会社が支払うことが多いですが、被害者が治療費を立て替える必要がある場合には、健康保険を使って負担を3割に抑えることが可能です。

ただし、通勤中や業務中の交通事故の場合、労災の適用となり、健康保険は利用できないため注意しましょう

医療保険・生命保険

交通事故で死亡したケースや、ケガをした場合には医療保険や生命保険が利用できる場合があります。

補償内容はそれぞれの保険の内容によって異なるため、詳細は保険証券を確認したり、保険会社に問い合わせると良いでしょう。

労災保険

通勤中、仕事中などに交通事故が発生した場合は、労災保険が利用できるケースがあります。

労災保険を用いることで、様々な補償給付を受けることができますが、それに加えて休業損害の特別支給金を受け取ることが可能となる点は労災保険を利用するメリットの一つといえるでしょう。

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交通事故で保険を利用する場合に注意すべきこと

交通事故で保険を利用する場合に注意すべきこと

交通事故では様々な保険が利用できることについて解説してきましたが、ここからは保険を利用する場合に注意すべきことについて解説します。

保険の免責事由

保険には免責事由と呼ばれる、保険会社が保険金の支払いを免れる場合が定められており、免責事由に該当する場合には交通事故の被害に遭っても保険金の支払いを受けることができません。

免責事由は保険の内容毎に異なるため、必ず保険加入前に内容を確認しておきましょう

加害者側の保険会社との示談交渉

被害者の方は交通事故についての交渉に慣れていないことが多く、加害者の任意保険会社との示談交渉は加害者側に有利に進むことが少なくありません。

このような場合には、交渉のプロである弁護士へ委任し、適切な賠償を受けることが大切です

過失割合

交通事故の発生について加害者だけでなく被害者にも過失がある場合、損害賠償額がその割合に応じて減額されます

これを過失相殺と呼びます。

過失相殺によって保険金や示談金等の額が減少する場合があるため注意が必要です。

なお、過失割合についてはこちらの記事もあわせてご参考ください。

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自分自身の加入している保険が利用できる可能性があることが分って少し安心しました。加害者との交渉については是非お任せしたいと思います。

加害者との交渉だけでなく、被害者の方が加入している保険について利用できるか・利用すべきかについてもアドバイスさせていただきます。適正な補償が受けられるよう最善を尽くさせていただきます。

交通事故でケガをしている中で保険会社や加害者と交渉することは、被害者の方にとって重い負担となります。

弁護士費用特約などの保険があれば弁護士費用の心配をすることなく、示談交渉を弁護士に相談できます。
お悩みの方は是非当事務所へご相談ください

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