死亡事故で被害者遺族が請求できる費目と慰謝料の相場について

死亡事故で被害者遺族が請求できる費目と慰謝料の相場について

交通事故という突然の出来事で身近な方やご家族を亡くされた場合、残された遺族の方には非常に大きな心の傷を負うことになります。

こうした遺族の方の苦しみや痛みは金銭では解決できるものではありませんが、それでも十分な賠償を受けることは遺された方の人生を前向きに過ごすための一助になるでしょう。

交通事故で夫を亡くしてしまいました。子どももまだ小さいのでこれからどうやって暮らしていけばよいのか途方に暮れています。精神的にも辛く、保険会社とのやりとりも不安です。

ご家族を亡くされたこと、心よりお悔やみ申し上げます。金銭では解決ができない部分もありますが、残されたご遺族が正当な賠償を受けられるように、請求可能な費目や金額の相場について説明いたします。

この記事では、万が一レンタカー利用中に事故に遭った場合、どのように対応すれば良いか解説します。

この記事の監修弁護士:浅尾 耕平
2010年12月弁護士登録(第一東京弁護士会)。
2021年ライトプレイス法律事務所共同設立。交通事故、労働災害をはじめ多様な事件に従事。

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目次

遺族が請求できる死亡事故の費目とは?

遺族が請求できる死亡事故の費目とは?

不幸にして死亡事故に遭われてしまった場合、加害者への損害賠償請求は残された遺族の方が行うことになります。

死亡事故の遺族の方が請求できる費目について解説します。

遺族の方が請求できる費目は大きく分けて以下の3つです。

死亡慰謝料

交通事故により被害者が死亡した場合、被害者は死に至るまで大きな苦痛を被り、遺族(近親者)の方もまた被害者の死亡により多大な精神的苦痛を被ります。

死亡慰謝料とは、こうした精神的苦痛を金銭に換算して請求するものです

死亡慰謝料には、被害者本人の慰謝料と、遺族(近親者)固有の慰謝料の2種類があり、被害者の相続人は被害者本人の慰謝料を相続することになります。

葬儀関係費

被害者の方が死亡され、葬儀などを行った場合にかかる費用も請求が可能です

葬儀やその後の法要に必要となる費用、墓碑建立費、仏壇仏具費等についても葬儀関係費として損害賠償の対象となります。

逸失利益

被害者の方が、交通事故がなければ得られたであろう将来的な収入のことを逸失利益と呼びます。

こうした逸失利益についても損害賠償の対象となります

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死亡事故の賠償額の相場は?

死亡事故の賠償額の相場は?

遺族の方が主に3つの損害賠償ができることについて解説しましたが、では実際にはどのくらいの金額が請求できるのでしょうか。

ここからは、賠償額の相場について解説します。

賠償額の算定基準

交通事故の被害者が加害者に請求する損害賠償については、算定基準が3つの基準があります。

一つ目は自賠責基準で、自賠責保険が定める基準となり、被害者への最低限の補償を目的としています。

二つ目が任意保険基準で、各保険会社が定めている基準となりますが、一般には公開されていません。

三つ目が弁護士基準で、裁判などで用いられる基準と同様となり、3つの中で最も高額な基準です

死亡慰謝料の賠償額の相場

死亡慰謝料については前述の通り、遺族(近親者)固有の死亡慰謝料と、亡くなられた被害者の方の死亡慰謝料の2種類があります

各基準のいずれに従うかにより計算方法が異なります。

自賠責基準の場合の死亡慰謝料

自賠責基準の場合には、遺族(近親者)固有の死亡慰謝料と被害者の方の死亡慰謝料を分けて計算をします

まず、遺族(近親者)固有の死亡慰謝料については、請求権を有する遺族(近親者)の数、被扶養者の有無に応じて金額が異なることになっています。

例えば、3人家族のご主人が死亡された場合、奥様とお子様の2名が慰謝料を請求できますが、請求者が2名の場合には650万円の請求が可能なのに加え、被扶養者分としてさらに200万円が加算されます。
また、被害者の方本人の死亡慰謝料については400万円となります。
そのため、先ほどの3人家族の例でいえば、自賠責基準での慰謝料は合計で1250万円となります。

弁護士基準の場合の死亡慰謝料

これに対して、弁護士基準の場合には死亡した方が家庭の中でどのような立場であったかに応じて金額が異なります

先ほどの3人家族の例で、ご主人が一家の生計を支える、いわゆる大黒柱であった場合には、2800万円の慰謝料が目安となります。

被害者の役割・年齢金額
一家の支柱としての役割をしていた場合2,800万円
母親、配偶者2,500万円
その他2,000万円~2,500万円
以上の金額は「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」、通称「赤い本」と呼ばれる本の基準によるもの。

葬儀関係費の相場

通夜、祭壇、火葬、墓石などの費用は葬儀関係費となります。

自賠責基準では100万円、弁護士基準では原則150万円となり、現実の支出額が150万円を下回る場合は実際の支出額の範囲内で賠償額が決められ、事情によっては150万円を上回る金額が認められる場合もあります。

逸失利益の相場

逸失利益については、死亡した方の収入をベースに以下のような算式で算出されます。

死亡した場合の逸失利益の算出方法

逸失利益=基礎収入額×(1-生活費控除率)×中間利息控除係数(就労可能年数に対するライプニッツ係数)

① 基礎収入額

基礎収入額については、会社員の場合であれば事故前の現実収入が該当します。

また、自営業者の場合には事故前の申告所得額が基礎収入額となります。

専業主婦のように現実に収入のない方の場合、賃金センサスの平均賃金額を基礎収入額として算定します。

② 生活費控除率

死亡事故の場合の逸失利益は、被害者の方が生きていればかかっていたであろう生活費相当額を控除の上、算定します。

この生活費控除率は、亡くなられた方の家庭内での立場などによって異なります。

生活費控除率の目安(クリックすると表の開閉ができます)

▼自賠責基準の場合(生活費の立証が困難な場合)

被害者に被扶養者がいるか生活費控除率
被扶養者がいる年収等の35%
被扶養者がいない年収等の50%

▼弁護士基準の場合(一家の支柱であった方の場合)

被害者の家族生活費控除率
被扶養者1人のとき年収等の40%
被扶養者2人以上のとき年収等の30%
女子(主婦・独身・幼児等を含む)年収等の30%
男子(独身・幼児等を含む)年収等の50%

なお、これらはあくまでも目安であり、ケースによってはこれと異なる控除率となる場合もあります。

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身近な人が交通事故で亡くなったとき、どのように対応すべきか

身近な人が交通事故で亡くなったとき、どのように対応すべきか

身近な方が交通事故で亡くなった場合にはどういった対応を行うべきでしょうか。ここからは対応方法について解説します。

賠償額の相場を知っておく

保険会社から提示される賠償額は必ずしも相場通りに提示されるとは限りません

自賠責基準や任意基準に従って損害額の算出、提示をされた場合には弁護士基準で算出された金額よりもかなり低水準となってしまいます。

あらかじめ慰謝料や逸失利益の相場を知っておくと交渉の役に立つでしょう。

示談交渉を弁護士へ委任する

ご家族、近親者の方が亡くなられた場合、遺族の方が負う心の傷、精神的な負担は非常に重いものです。

こうした中で保険会社と慰謝料について交渉を行うのはかなりの心労を伴います

また、先ほどご説明したとおり、自賠責基準や任意基準は、弁護士基準と比較すれば低水準となってしまう事が多いです。

最も正当な損害賠償請求を行えるのは弁護士です
精神的な負担の軽減のためにも、正当な賠償を受けるためにも、交渉を弁護士へ委任されることをお勧めします。

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死亡事故は必ず弁護士へご相談ください。

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死亡事故で遺族が請求できる費目や、請求額の目安が分かったことで、今後の生活の不安が少し解消されました。

ご遺族の方の精神的なご負担を軽減できるよう、また、正当な賠償請求ができるよう、全力でサポートさせていただきます。

死亡事故においての賠償額は、弁護士基準を用いるかその他の基準を用いるかによって大きく異なります。

当事務所では交通事故の豊富な解決実績を有する弁護士へLINEでいつでもご相談いただけます
適正な賠償を受けるためにも、まずは弁護士へご相談ください

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