駐車場での事故対応ポイント4選|当て逃げ事故で泣き寝入りをしないためには?

駐車場での事故対応ポイント4選|当て逃げ事故で泣き寝入りをしないためには?

交通事故の被害に遭った場合に弁護士へ示談交渉や、手続きを依頼する事は、賠償額のアップや交渉手続きの負担から解放されるなど様々なメリットがあります。しかし、弁護士へ依頼することを検討しようとした際に気になるのは弁護士を依頼する費用ではないでしょうか。

先日買い物に行った際に、駐車場で停車中、隣に駐車しようとした車にぶつけられてしまいました。一般的な道路で起きる事故と対応が変わることはあるんでしょうか?

せっかく買い物にお出かけされていたのに事故に遭ってしまったのは非常に残念ですね。駐車場も場所によっては警察への報告義務があります。

今回は駐車場での事故について注意すべき点や、どのように対処すべきかについて分かりやすく解説します。

この記事の監修弁護士:浅尾 耕平
2010年12月弁護士登録(第一東京弁護士会)。
2021年ライトプレイス法律事務所共同設立。交通事故、労働災害をはじめ多様な事件に従事。

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目次

駐車場で事故が起こったときの対応フロー

駐車場で事故が起こったときの対応フロー

駐車場で交通事故が起きた場合には、一般的な道路で事故が起きた場合と違う対応が必要となるでしょうか。まずは、どのような対応が必要かご説明します。

① 負傷者がいれば、救護する

負傷者がいる場合には、必ず救護を最初に行いましょうまずはケガの状態を確認し、必要と判断したらすぐに救急車を呼びましょう

救急車が到着するまでの間に、駐車場内の状況を確認し、事故車両がさらなる事故を発生させることの無いように安全な位置へ移動させておくことも重要です。

もし自身がケガをして動けない場合には周囲の人間に手助けを求め、救急車や警察などへの連絡などを依頼しましょう

また、駐車場事故の場合には一般的な道路での事故と比べて目撃者が少ない傾向にあります。
周囲の人に救護を求める際には、目撃者として協力をお願いする可能性がある点も併せて依頼しておくと良いでしょう

② 各所への連絡

救護が完了したら、次は警察などへの連絡です。

事故の後は気が動転しているケースが少なくありませんが、確実に連絡を行いましょう。

警察への連絡

冒頭でも少し触れましたが、駐車場内の事故であっても、多くの人が出入りできる駐車場などは基本的に警察への報告義務があります。交通事故について報告義務が生じるのは、道路交通法第72条第1項が根拠となります。

(交通事故の場合の措置)

第七十二条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

道路交通法第72条第1項

そして道路交通法の適用対象となる「道路」とは、同法第2条第1項第1号に以下の様に定義されています。

道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第二条第一項に規定する道路、道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第二条第八項に規定する自動車道及び一般交通の用に供するその他の場所をいう。

道路交通法第2条第1項第1号

駐車場は、直ちに道路に当たるわけではありませんが、判例では以下のように判断されています。

私有地であつても,不特定の人や車が自由に通行できる状態になつている場所は,同法(道路交通法)上の道路であると解すべきである

最高裁昭和44・7・11最高裁判所判例集刑事第172号151頁

そのため、駐車場でも不特定の人や車が自由に通行できる場所については、道路と同様の扱いとなります。

その結果、道路交通法に基づき報告義務を負うことになるのです

逆に駐車場であっても、個人宅の駐車場や月極の駐車場のように不特定の人や車が自由に通行することができない駐車場については道路に該当しないという結論になるものと思われますが、人身事故の場合は道路交通法の適用に関わらず、駐車場内での事故についても一度警察へ連絡しましょう

保険会社への連絡

次に保険会社への連絡です。保険会社への連絡は必ずしも事故直後ではなく、後日でも問題ありません。

被害者の場合でも、相手方から十分な賠償を受けられないとき、自身が加入している保険で「人身傷害補償保険」や「搭乗者傷害保険」等を付けていれば使用できる場合もあるため、自分の保険が使えるかどうかを確認する意味でも連絡は重要です

また、保険会社へ早期に連絡しておくことで保険会社間での交渉が行われるため、当事者間で協議を行うよりもスムーズかつ早期に進む可能性があります。事故処理をスムーズに行うためにも保険会社へ連絡を行いましょう。

③ 事故現場の状況を記録し、証拠を集める

先ほども少し触れた通り、駐車場での事故の場合には目撃者がおらず、証拠が無いというケースが少なくありません

そのため、適切な補償を受けるためにも証拠の保全が非常に重要です

証拠を収集するに際しては、次のような行動をすると良いでしょう。

  • 加害車両のナンバーや車種をメモしておく
  • 被害箇所や現場の状況を写真を撮っておく
  • 警察へ事故の状況を正しく伝える
  • ドライブレコーダーの映像を確認し、事故の状況が写っているか確認する
  • ドライブレコーダーの上書き保存機能を停止しておく
  • 防犯カメラや周囲の車のドライブレコーダーに写っていないか確認する
  • 目撃者はいないか確認する

以上のような点を意識して、証拠を集めておくと良いでしょう。

特に防犯カメラや監視カメラの映像は、1週間から10日程度で上書きされることが多いようです。

個人で防犯カメラ等の映像の保全や提供を求めても、通常応じてもらえないため、映像が残っていることがわかっており、証拠として用いたい場合には、事故後できるだけ早いタイミングで弁護士へ依頼を検討ください。

④ 怪我をしている場合、人身事故に切り替える

人身事故に切り替えると実況見分が行われます。実況見分には可能な限り立ち会いましょう。

実況見分で作成される「実況見分調書」は、今後過失割合の争いになった場合、事故状況を正しく判断するために非常に重要な証拠となるため、立ち会いの上、警察に事故の状況を正しく伝えましょう

また、事故が発生した場合の初動対応については、以下の記事もご参考ください。

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駐車場で起こりやすい事故タイプ

駐車場で起こりやすい事故タイプ

では、駐車場ではどういった事故が起こりやすいのでしょうか。

ここからは駐車場で起こりやすい事故タイプをご紹介します。

接触事故

駐車場内で起こりやすい接触事故としては、車対車、車対人、車対施設の事故が考えられます。

駐車場内は、屋外と比較して暗い場合や、死角になる箇所が多いため、思わぬところから車や人が出てきたり、フェンスなどの設備があったりして接触してしまうという事故が起こりやすくなります

駐車場内で起こりやすい接触事故のうち特に起こりやすい事故としては以下の様なものが挙げられます。

出会い頭での接触事故

駐車場では、駐車スペースに自動車を止めるためにハンドルを切る動作や、駐車スペースを確認する動作などに集中して運転をする場面が多くなります。そのため、前を通ろうとした車や横切ろうとした車と接触してしまうという事故が起こりやすくなります。

また、駐車スペースから移動させようと前進した際にも前方を横切ろうとしていた車に気がつかないで接触してしまったという事故も起こりやすくなります。

駐車場内では駐車スペースや進行方向だけで無く、周囲にも注意を払った上で運転をするようにしましょう

バック走行中の接触事故

駐車スペースにバックで駐車しようとする際には、ハンドルを切りながらバック走行をします。

こうした場合、先ほどのケースやすでに駐車している自動車との接触事故も起こりやすくなりますが、それ以外にも歩行者や設備との接触事故も起こりやすくなります。

駐車場内は狭く、歩行者も駐車スペースなどを移動している場合が多いため、バック走行で駐車する際には十分に周囲に注意をしましょう

ドアパンチによる事故

ドアパンチとはドアを開けた際に隣の車のドアにぶつけてしまう事故のことをいいます。 

駐車場内はスペースが狭く、隣の車との幅が狭いため不用意にドアを開けると隣の車のドアに接触してしまいます。

隣に自動車が駐車している場合にはドアを開ける際にはゆっくりと開け、不用意にドアパンチ事故を起こさないように注意しましょう

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当て逃げ事故に注意

当て逃げ事故に注意

駐車場内の事故は、目撃者が少ないため加害者がそのまま逃げてしまう場合も多く、人身事故を除き、停車中に発生した場合には後から被害に気がつくというケースも少なくありません。

こうした当て逃げ事故で泣き寝入りしないようにするために重要なポイントを解説します。

加害者を特定するために

当て逃げ事故を含めた交通事故において責任を加害者に追及するためには加害者を特定することが必要不可欠です

そして、ドライブレコーダー映像や監視カメラ映像のような客観的な証拠が、当て逃げ事故の際に加害者を特定するため、重要となります。

駐車場の監視カメラやドライブレコーダーに事故状況が記録されていた場合には、それ自体が事故の証拠ともなるほか、ナンバーなど加害車両や加害者を特定できるものが写っていれば、それによって加害者を特定することが可能となります。

自身のドライブレコーダーに記録が残っていない場合は、監視カメラ等の映像を確認することとなりますが、先ほどの記載の通り、個人で監視カメラ等の映像開示を求めても通常応じてもらえないため、事故後すぐにタイミングで警察へ連絡してください

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駐車場の事故はまず警察への連絡と証拠
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駐車場の事故はまず警察への連絡と証拠の保全を

駐車場の事故はまず警察への連絡と証拠の保全を

駐車場内の事故での注意点についてよくわかりました。事故の状況についてはドライブレコーダーの映像が使えそうです。

駐車場の事故は色々な問題がありますが、その他にもご不安な事があればお気軽にご相談ください。

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駐車場内の事故でお困りの方は是非当事務所へご相談ください

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