交通事故で最も多い「むちうち」、その症状と慰謝料計算の方法を解説

交通事故で最も多い「むちうち」、その症状と慰謝料計算の方法を解説

交通事故では様々なケガを負いますが、その中で比較的多く見られるのがむち打ちです。

先日信号待ちで停車していた所、後続車に追突されてしまいました。すぐに病院を受診し、骨折などの大きなケガは無かったのですが、事故から1週間ほど経って、頭痛やめまいなどを感じるようになりました。病院へもういちど受診したいと考えているのですが、治療費や慰謝料は加害者の方に請求できるのでしょうか?

いわゆるむち打ち症状がでてきたのかもしれませんね。交通事故によってむち打ち等の症状が生じた場合には、治療費や慰謝料等を請求できます。また、症状が残ってしまった場合には後遺障害等級認定を受けることも検討しましょう。

この記事の監修弁護士:浅尾 耕平
2010年12月弁護士登録(第一東京弁護士会)。
2021年ライトプレイス法律事務所共同設立。交通事故、労働災害をはじめ多様な事件に従事。

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目次

交通事故でなりやすい?「むちうち症」とは?

交通事故でなりやすい?「むちうち症」とは?

むちうち症とは具体的にはどのような症状なのか解説します。

「むちうち症」とは、交通事故の際の衝撃で頭が大きく後方や前方に移動して首の組織に損傷が生じるような症状のことをいいます

公益社団法人日本整形外科学会のWEBページにおいては「むち打ち症」について、「追突や衝突などの交通事故によってヘッドレストが整備されていない時代に首がむちのようにしなったために起こった頚部外傷の局所症状の総称」であると解説されています。

交通事故の衝撃の結果、首(頚部)に生じた外傷を広くむち打ちと呼称しており、医学的な傷病名としては、頚椎捻挫・頚部挫傷、頚椎椎間板ヘルニア・頚椎症性神経根症、重いものになると脊髄損傷と診断される首の外傷について、ひとくくりにむち打ちと呼ばれることがあります。

一言にむち打ちと言っても、ケースによっては深刻な症状につながることもありますので、医師によるくわしい診断を受けることが重要です

むち打ちの症状は多岐にわたり、交通事故後すぐに発生する場合もありますが、事故から数時間から数週間経ってはじめて発生する場合もあります。代表的な症状としては以下の様なものが挙げられます。

  • 首の違和感
  • 手や指のしびれ
  • 頭痛
  • 背中の痛み
  • 筋肉のこわばり
  • 口が開かない
  • 腰痛
  • 吐き気
  • めまい
  • 耳鳴り

このような症状が生じたときは、むち打ちによって引き起こされた症状の可能性があります。

自己判断するのでは無く、医師の診察を受ける際には自覚症状はもれなく伝えるようにしましょう

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むち打ちになったときの治療先・相談先はどこへ行けば良い?

むち打ちになったときの治療先・相談先はどこへ行けば良い?

次にいわゆるむち打ち症状が出た際に通うべき治療先などについて解説します。

結論から申し上げると、整形外科など、医師がいる病院・診療所を受診するようにしましょう

というのも、医学的に正しい「診断」は医師にしかできないためです

むち打ち症状と一言でいっても、前述のとおり実際の診断は多岐にわたります。
お怪我に対する適切な治療を受けるためにも、まずは医師の診察を受けるようにしてください。

また、損害賠償実務においては、【医師の診断】が基礎となります
医師の診断を受けず、整骨院や接骨院での柔道整復師による施術だけを受けると、お怪我の正確な診断が受けられず、不利益となってしまうことがあります。

整骨院や接骨院へ行きたい場合には必ず医師に相談し、許可を得た上で行くようにしましょう。

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むち打ちになった場合に請求できる費目と賠償額の計算方法

むち打ちになった場合に請求できる費目と賠償額の計算方法

続いては、むち打ちになった場合に請求できる費目や賠償額について解説します。

請求できる費目

治療費

むち打ちになったために病院で診察を受けたり、リハビリを受けたりした費用は治療費として損害賠償の対象になります。

接骨院や整骨院については厳しい認定をされるケースもありますので、接骨院・整骨院での施術を希望する場合には、医師の許可を得た上で、保険会社へも事前に連絡しておくことをお勧めします。

整体やカイロプラクティックなどの民間療法は基本的に治療費としての認定の対象とならないことにも注意してください。

通院費

通院するために必要となった交通費も損害賠償の対象となります。原則として電車やバスなどの公共交通機関や、自家用車を利用した際に認定の対象となります。

医師から安静を保つためにタクシーを利用するよう指示がある場合などでは、タクシー代も認定となることがあります。

怪我の症状のために公共交通機関や自家用車の利用が難しい場合には、まず医師に相談してタクシーでの移動が必要であるかどうか判断してもらった上で、事前に保険会社へ伝えましょう。

休業損害

通院のために仕事を遅刻・早退したり、休業、有給休暇を使用した場合には休業損害の請求が可能です。

但し、いわゆるむちうち症状のお怪我の場合、通院日当日以外の休業損害認定については、保険会社側が厳しい姿勢を取ることが多いです。
医師から休業するように指示がある場合には、通院日当日以外の休業損害も認定されるケースがあるため、休業の必要性については医師に相談し、指示内容をカルテ等の記録に残してもらうようにしてください。

入通院慰謝料

入院や通院によって発生した精神的苦痛に対して支払われる賠償です。入通院の期間などに応じて支払われることになります。

治療を一定期間継続しても症状が残ってしまった場合、後遺障害申請を行い、等級認定となると、以下の費目も請求対象となります。

後遺障害慰謝料

後遺障害が残ったことにより生じる精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。

後遺障害逸失利益

後遺障害がなければ得られるはずであった利益(逸失利益)です。
認定された等級をもとに、お仕事への影響の度合い、影響年数に応じて算定します。

慰謝料額について

後遺障害慰謝料については具体的にどういった金額となるでしょうか。

いわゆるむち打ち症状で認定される可能性がある後遺障害等級は、第14級9号と第12級13号があります。

  • 第14級9号 局部に神経症状を残すもの
  • 第12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの

14級の場合、自賠責基準の慰謝料は32万円となるのに対し、弁護士基準であれば110万円となります
12級の場合は、自賠責基準では94万円に対し、弁護士基準では290万円となります

後遺障害に認定された場合には、弁護士基準で請求を行うメリットが非常に大きくなってきます。

後遺障害等級の慰謝料に関しては、こちらの記事もご参考ください。

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慰謝料について疑問・不満に思ったら弁護士へ相談

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むち打ちは交通事故でよく見られる症状ですが、後遺障害となってしまうケースもあり決してあなどれません。

適切な補償を受けるためにも弁護士へ相談しましょう。

むち打ちの場合の損害賠償について詳しくわかって安心しました。まずは病院へ行って治療に専念しようと思います。保険会社との交渉をお任せしたいのでよろしくお願いします。

頚椎捻挫から脊髄損傷まで、いわゆるむち打ちと呼ばれる怪我は多岐にわたります。むち打ちとひとくくりにされ、軽い怪我で短期間で回復するものだ、と決めつけられ、適切な補償を受けるのが難しいケースもあります。お怪我の苦痛に応じた適切な補償を受けられるよう全力でサポートいたしますので、一緒に頑張りましょう!

当事務所ではむち打ちをはじめとする交通事故での様々なお怪我や損害賠償に関するご相談について、豊富な実績とノウハウを有する弁護士へ24時間LINEで相談できるサービスを行っております

交通事故でのむち打ち症状でお悩みの方は是非当事務所へお気軽にご相談ください。

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