後遺障害14級とは?具体的な症状や、慰謝料の相場は?

後遺障害14級とは?具体的な症状や、慰謝料の相場は?

交通事故でケガをした場合、完治せず後遺症となってしまう可能性があります。

こうした後遺症は後遺障害等級認定を受けることで、様々な賠償を受けることができます。

自動車を運転していたら、後ろから追突されました。交通事故から半年経っても首や背中がしびれたり、頭痛に悩まされています。

後遺症が残ってしまったということですね。後遺障害等級認定を受けることで後遺症に対する様々な補償を受けることが可能になります。

今回は、後遺障害14級について解説します。

この記事の監修弁護士:浅尾 耕平
2010年12月弁護士登録(第一東京弁護士会)。
2021年ライトプレイス法律事務所共同設立。交通事故、労働災害をはじめ多様な事件に従事。

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目次

後遺障害14級とは

後遺障害14級とは

後遺障害等級とは後遺症の症状の重さに応じた等級を認定するものです。

最も症状の軽いものが第14級、最も重いものが第1級とされています。本項では、後遺障害14級の概要について解説します。

交通事故でケガをした場合、治療のために通院することになります。

その際に医師からこれ以上治療を継続しても症状が改善しない「症状固定」と呼ばれる状態となるケースがあります。

こうした症状固定以降に残ってしまった症状のことを後遺症と呼び、後遺症は後遺障害等級認定を受けることによって、後遺症の精神的苦痛に対して支払われる後遺障害慰謝料や、逸失利益(交通事故によるケガがなければ、将来得られたはずの収入)を請求することが可能です

後遺障害14級は、そんな後遺障害等級認定の中で最も等級の低いものになります

そのため、次で見るように症状は他の等級のものと比較して症状が軽いものとなっており、慰謝料額なども低くなります。

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後遺障害14級に該当する症状

後遺障害14級に該当する症状

では、後遺障害14級には具体的にどのような症状が該当するのでしょうか。

ここからは後遺障害14級に認定される症状について具体的に解説します。

後遺障害14級の症状

後遺障害の症状は、認定基準が定められており、自動車損害賠償保障法施行令別表第1と別表第2に定めが置かれています。

その中でも後遺障害14級の症状は、別表第2に第1号から第9号まで、以下の様な症状が定められています。

  1. 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
  2. 三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  3. 一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
  4. 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
  5. 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
  6. 一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
  7. 一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
  8. 一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
  9. 局部に神経症状を残すもの

その他の等級に関する認定基準や症状についてはこちらの記事をご参照ください。

後遺障害14級の具体的な症状

認定基準については以上のとおりですが、難しい言葉が多く、具体的にどのような症状なのか分りにくいかと思います。

そこで、ここからはそれぞれの症状について解説していきます。

・一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの

これは片目のまぶたを閉じた場合に角膜は完全に覆うことができるが、白目の部分が露出してしまうようなケースや、まつげの生えている周縁の1/2以上にわたってまつげが生えてこなくなってしまったようなケースがこれに該当します。

・三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

これは3本以上の歯を喪失したり著しく欠けたりしてしまった結果、入れ歯やブリッジ等になってしまったケースがこれに該当します。

・一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの

片耳が聞こえにくくなってしまったケースです。片耳の平均純音聴力レベルが40デシベル以上70デシベル未満となったケースがこれに該当します。

・上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの

肩関節から指先の部分に手のひら大の大きさの傷が残った場合がこれに該当します。

・下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの

股関節から足の甲までの部分に手のひら大の傷が残った場合がこれに該当します。

・一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの

片手の親指以外の指を骨折し、指の骨の一部を失っている(遊離骨片の状態を含む)ことがレントゲンで確認できる場合がこれに該当します。

・一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの

片手の親指以外の指について、第一関節が動かなくなった状態、または屈伸筋の損傷等原因が明らかなものであって、自力での曲げ伸ばしができない状態(もしくはそれに近い状態)がこれに該当します。

・一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの

片足の中指、薬指、小指のうち1本または2本の指についての、次のいずれかの状態が該当します。中節骨(指の真ん中部分の骨)もしくは基節骨(指の根元の骨)を切断したもの。第一関節または第二関節を離断したもの。第二関節または第三関節の可動域が怪我をしなかった側の可動域角度の1/2以下になったもの。

・局部に神経症状を残すもの

画像や神経学的検査結果の所見から医学的に証明することはできないものの、体の一部に医学的に説明可能な神経系統または精神の障害を残す所見があるものがこれに該当します。よく見られる例は、むち打ちになってしまい、手足のしびれや痛みが残ってしまったケースでしょう。

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後遺障害14級の慰謝料の相場

後遺障害14級の慰謝料の相場

後遺障害等級の認定を受けることで様々な慰謝料を受け取ることが可能になります。

そこで、ここからは14級の認定を受けた場合の慰謝料の相場について解説します。

後遺障害等級の認定を受けることで支払われる賠償額のうち、主なものは、「後遺障害慰謝料」と「逸失利益」です

では後遺障害14級に認定された場合には具体的にどのくらいの金額が支払われるのでしょうか。

ここではそれぞれの相場や算定方法について解説します。

なお、慰謝料の算出方法には自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の3つの基準があり、自賠責基準による場合が最も低く、次に任意保険基準、弁護士基準の順番で慰謝料額は高額になっていきます。

これらの基準と慰謝料額との関係についてはこちらの記事もご参考ください。

後遺障害慰謝料

自賠責基準では、後遺障害14級の慰謝料は、32万円と定められています。
これに対して、弁護士基準の後遺障害14級の慰謝料は、110万円となっています

逸失利益

自賠責基準では、後遺障害14級の場合、後遺障害慰謝料と逸失利益を合計した金額として、一律75万円が保険金として支払われることとなります。

一方、弁護士基準では後遺障害14級の場合、上記の後遺障害慰謝料110万円とは別に、逸失利益を請求することが可能です。逸失利益は、基本的には被害者の方の事故前年度の年収により計算されることになります。

それぞれの賠償額から分かる通り、自賠責基準と弁護士基準では受け取ることができる金額にかなり差額が生じます。こうした弁護士基準での慰謝料を受け取るためには、弁護士に交渉などを委任する必要があります

保険会社などから提示された賠償額に疑問を抱いた場合には、すぐに弁護士へ相談をすることをおすすめいたします。

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後遺障害14級と認定されるために重要なポイント

後遺障害14級と認定されるために重要なポイント

では、後遺障害14級に認定され、後遺傷害慰謝料や逸失利益などを受け取るためにはどのような点に注意するべきでしょうか。

ここからは、後遺障害14級に認定されるために重要な点について解説します。

後遺障害14級に認定されるために

後遺障害14級は前述の通り、後遺障害等級の中で最も低い等級ですが、適切な後遺障害診断書や申請書類を添付すれば、認定の確率を上げられる可能性があります

そのため、後遺障害等級の認定を適切に受けるために、ポイントをおさえておく必要があります。

認定のポイント

認定を受けるに当たって最も重要なのは14級の各号に該当する症状が明確に記載された後遺障害診断書を医師に作成してもらうことです。というのも、後遺障害等級の認定は基本的に面談等は行わず、書類上のみで審査されるため、診断書に記載されていないものは認定されません。

また、後遺症は事故との因果関係が認められる必要があります。そのため、事故直後から治療を行い、治療中から一貫して症状があり、症状固定の後もその症状が残っていることが必要になります

治療が事故直後から継続されていることなどが診断書やカルテで示されるように、事故後はすぐに通院を開始し、通院期間中は継続して治療を行う事が重要となります

さらに、症状を裏付ける医学的所見も認定確率を上げるには大事ですので、医師の指示に従い、MRIなどの画像を撮り各種検査を受けるなどしておくとよいでしょう。

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後遺障害に関するご相談は弁護士へ

後遺障害に関するご相談は弁護士へ

頭痛に悩まされていましたが、後遺障害14級に該当する可能性があるということや、賠償額を知ることができて安心しました。医師に相談して後遺障害診断書の作成をお願いしてみようと思います。

後遺障害等級の認定を適切に受けるためには、その他にも様々な書類の準備や手続きが必要になります。当事務所には後遺障害専門スタッフが在籍しており、弁護士と後遺障害専門スタッフにて後遺障害申請のお手続きをすべてサポートさせていただきます。

後遺障害等級の認定には症状などに合わせて適切な申請や手続きを行う必要があります。

後遺障害等級についてお悩みの方は是非ご相談ください。当事務所ではLINEでの相談を行っており、いつでも交通事故に関する相談が可能です

交通事故の解決実績が豊富な弁護士が最適なサポートをさせていただきます。

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