交通事故の被害に遭ったとき、ケガや精神的なショックから事故の対応を加害者や保険会社に任せきりにしてしまう方は意外と多くいらっしゃいます。しかし、加害者やその保険会社に 任せきりにしてしまうと思わぬ結果を招きかねません。
交通事故にあってケガをしたのですが、体調の事や仕事も心配なので手続きや後のことは加害者の方や保険会社に任せてしまっても問題ないのでしょうか?
事故に遭われて大変だとは思いますが、被害者の方でやるべきことをやらないで、保険会社に任せきりにしていると、あとあと、損害賠償の交渉の際に不利になってしまうケースもあります。交通事故では被害者の方自身で押さえておくべきポイントがいくつかあります。
そこで、今回は交通事故に遭った場合に被害者が行うべき行動について解説します。
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交通事故の被害者が事故に遭ったときにまずやるべき5つのこと
交通事故に遭った時、冷静に行動できる方はほとんどいません。
しかし、交通事故に遭ったら必ず以下の5つのことは行っておく必要があります。
警察へ連絡する
負傷者がいる場合、加害者から警察への通報は道路交通法上の義務です。
被害者は特に連絡しなくても良い様にも思われますが、加害者が通報するだろう、と思い込んで事故現場を立ち去ったりしてしまうと、後になって加害者も事故報告を怠っていた、というケースがあります。
当事者からの報告がなく、警察による事故処理が行われなかった場合、交通事故証明書が発行されなくなってしまいます。
交通事故証明書には、事故の日時、現場、当事者の連絡先などが記載されます。
交通事故証明書が無い場合、事故の基本的な事実関係がわからず、損害賠償の請求が難しくなってしまうことがあります。
そのため、警察への連絡が確実に行われるように被害者からも警察へ連絡するようにしましょう。
加害者の身元や連絡先などを確認する
事故直後に行っておくべき重要な行動の一つが加害者の確認です。
というのも、 交通事故の被害に遭った事を理由にする損害賠償請求などの各種請求は、加害者が特定できていないと請求することができなくなってしまうからです。
そこで、以下の点について確認しておきましょう。
- 加害者の氏名、住所、連絡先
- 加害者が加入している保険会社
- 加害者の車両のナンバー
- 勤務先、住所、連絡先
1については、加害者の運転免許証を確認しておき、携帯電話の番号などを聞いておきましょう。
また、4については、加害者が勤務中に起こした事故などの場合には雇い主に対して請求を行うこともあり得るため、忘れず確認しておきましょう。
勤務先であれば確実に本人とも連絡が取れるため、勤務先に対して請求を行わない場合でも役立ちます。 名刺をもらうのも良い方法です。
目撃者がいれば協力を依頼し連絡先を聞いておく
交通事故の状況などについて保険会社や加害者との認識が異なる場合に、こうした点が原因で交渉が進まなくなるケースや訴訟となるケースがあります。こうした場合に有力な証拠となるのが、第三者の証言です。
目撃者がいる場合には、証言をメモしておいたり、可能であれば氏名や連絡先を聞いておき、協力をお願いするかもしれない点を伝えておくと良いでしょう。
事故現場の状況を記録しておく
携帯電話などを利用して事故現場の写真を撮っておくのも重要です。 警
察へ連絡していれば、警察がやってくれるだろうと思われる方もいらっしゃるでしょうが、警察による実況見分は必ずしも事故当日に行われるとは限りません。
事故から時間が経過すると、事故現場の状況も変わってしまうため、事故直後の状態を保存しておくことで確実に証拠を残すことができます。
ドライブレコーダーの映像がある場合には、上書きされないように、保存しておきましょう。
医師の診断を受ける
加害者の確認と同じくらい非常に重要なのが、医師の診断をすぐに受けるという事です。
非常に重要なポイントですので、この点は後に詳しく解説します。
ご自身の体の状態を確認するためにも、交通事故にあった際には できれば当日中、やむを得ない場合でもできるだけ早く医師の診断を受けるようにしましょう。
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交通事故直後に医師の診断を受ける際の注意点
医師の診断を受ける場合や、治療を受ける際にもいくつか注意点があります。
必ず医師の診断を受ける
病院では無く整骨院や整体などへ先にいってしまう方がいらっしゃいます。
しかし、 事故後まずは必ず病院へ行った上で医師の診断を受けてください。というのも、医学的に正しい「診断」は医師しかできないためです。
適切な治療を行い、それに基づく正当な賠償を受け取るためには必ず医師の診断が必要です。
現在の損害賠償実務においては、【医師の診断】がすべての基礎となります。 整骨院や接骨院の柔道整復師の施術は医師による治療の補助的な立ち位置に止まります。
また、国家資格のない整体等に至っては、治療行為として認められないのが原則です。治療は、医師による治療を軸にしていかなければなりません。
医師には気になる点を全て伝える
辛い自覚症状があっても、おおげさに思われないか気になる、時間がたてばよくなるだろう、と受診を我慢してしまわれる方が多くいらっしゃいます。
事故直後は神経が昂ったり、患部の筋肉が硬直することにより、実際の怪我とくらべて意外なほど自覚症状が少ない場合があります。
事故後しばらく時間が経過してから、痛み、痺れなどの自覚症状が徐々に現れることがあります。
事故直後からの症状ではないから…と遠慮して申告しないでいると、後になって損害賠償を行う上で大きな不利益となってしまうおそれがあります。
自己判断で『事故による症状ではないだろう』と思い込まず、 気になる症状は【もれなく、すべて、できるだけはやく】医師に伝え、正しい診断を受けることが大切です。
詳しい検査を受ける
正確な症状の把握には、精密検査が必要になることもあります。
ケガは必ずしも目に見えるところにだけできるものではありません。傷害を負った箇所によっては、内臓などに重大な損傷が見つかるケースも当然考えられます。
また、不幸にして後遺症が残ってしまうようなケースでは、早い段階で検査を受けておくことが、その後の治療方針を決める際や、後遺障害認定を受ける際に非常に重要なポイントになってきます。
後遺症の有無は損害賠償請求においても非常に大きなウェイトを占めることになりますし、何より、ご自身の人生に大きな影響を及ぼすおそれがあるものです。
できる限り早く、医学的に正確な所見を得ておくことの重要性はいくら強調してもしすぎることはありません。
タクシーなどを利用する場合は診断書をもらっておく
通院のために必要な交通費も損害として請求することができます。
注意が必要なのは通院の交通費については、やむを得ない事情がない限り、自家用車や公共交通機関を使うべきとされ、その金額しか支払われないことが多いことです。
タクシーの利用は必要性につき争いになることが多いため、できればご自身の判断で利用するのでは無く、医師に判断を仰いだ上で、診断書内にタクシーの利用が必要である旨を記載してもらってから利用するのが理想的です。
タクシー代をはじめ、通院のために駐車場を利用した場合など、領収書を残せるものは必ず保管しておきましょう。
保険会社による治療費打ち切りへの対応
最初の診断から症状が回復するまでは通院することになりますが、しばらく通院を続けていると、症状が回復していないにもかかわらず保険会社から治療費をこれ以上支払うことはできないという通知が来る場合があります。
しかし、症状の回復は個人差があり、保険会社による一方的な判断で打ち切りを宣告されても納得ができるものではありません。
まずは、医師と相談を行い、治療の必要性について医師の見解を確認した上で、すぐに弁護士へ相談することをおすすめします。
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弁護士へ相談するメリットとタイミング
ここまで、事故後にすぐに行うべき事や治療を受ける際に注意すべき事項について解説してきました。
次に弁護士へ相談するメリットと交通事故後どのタイミングで相談を行うべきかについて解説します。
弁護士へ相談するメリットと保険金の支払い基準
弁護士に依頼する場合には費用がかかるため、依頼を躊躇してしまう方や、メリットがあるのか分からないため依頼をためらってしまう方も多くいらっしゃいます。
そこで弁護士を通じて加害者側の保険会社と交渉を行うことが、なぜ大きなメリットがあるかご説明します。
通常、任意保険会社は自賠責基準、もしくは自賠責基準より少し上乗せした金額で慰謝料を提示してきます。
しかし、弁護士はそれよりも高い【弁護士基準】で慰謝料を算定し交渉を行います。
自賠責基準
自賠責保険とは法律で加入が義務付けられている保険です。
「治療期間」と「実通院日数 ×2」の小さい方に4,200円を掛けた金額が慰謝料となります。被害者保護のための最低限の補償です。
また、自賠責保険に関しては、以下の記事もご参考ください。
弁護士基準
弁護士が代理人となって交渉を行う場合に採用される基準です。
治療期間をもとに算定します。自賠責基準や任意保険会社の提示金額と比べると最も高額になります。
打撲や捻挫の怪我、それ以外の怪我で基準が分かれます。
おおまかな目安は以下のとおりです。
弁護士基準で交渉することで、ほとんどのケースで慰謝料は増額が見込めます。
弁護士に依頼するコスト(弁護士報酬)を差し引いても、被害者の方自身が交渉するよりもお手元に残る金額を増額できるケースが多いのです。
弁護士へ依頼する最大のメリットは、弁護士基準での慰謝料交渉を行えるほか、各賠償費目についてもれなく、十分な請求・交渉ができることです。
この他にも加害者本人、保険会社その他関係各所とのやりとりや手続きを全て弁護士に任せることができるため、ご自身は治療に専念できるというメリットも重要です。
弁護士へ相談を行うタイミング
では、弁護士へ相談を行うのはどのタイミングが良いでしょうか?
交通事故というのは一生に1回あるか無いかという出来事であり、これへの対応はその後の人生を左右する重要な事柄になります。
ほとんどの方は事故後どのように対応して良いのか分からない方です。そのため、なるべく早期に相談をすることで、今後の手続きや流れについて把握することで安心して治療などに臨むことができます。
本記事で紹介した事故後直ちに行うべき事項が完了したらすぐに相談を行うのが最もおすすめです。
保険会社とのやりとりが開始した際や、保険会社からの保険金提示をされる前に相談を行っておくことで、おおまかな金額の感覚を掴んでおく事もおすすめです。
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交通事故に遭った場合には弁護士へご相談を
交通事故に遭った際に被害者が行うべき事や、注意点などについて解説してきました。
実際に交通事故に遭った場合には冷静に行動するのは難しいものです。
また、多くの方は交通事故を初めて経験するので、気がついたら保険会社の言いなりになっていたという場合も多いです。
交通事故の経験が豊富な弁護士へ相談を早期に行う事で、今後の見通しを立てることができるほか、加害者・保険会社との交渉を有利に進めることができます。
当事務所は、交通事故について豊富な経験や実績を有する弁護士へLINEでいつでも相談が可能です。
交通事故被害者の方々のご不安に寄り添い、最適なサポートをさせていただきます。まずはお気軽にご相談ください。
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