デジタル時代の不倫・浮気手段の多様化と証拠について

デジタル時代の不倫・浮気手段の多様化と証拠について

本記事の監修弁護士:浅尾 耕平

2010年12月弁護士登録(第一東京弁護士会)。大阪、東京に拠点を持つ法律事務所に所属。
労働、商事関係を中心に訟務活動を担当しつつ、国際カルテル事案、企業結合審査等競争法対応、総合商社、メーカー等の一般企業法務等に従事。
2015年から、国内大手調剤・ドラッグストアチェーン企業、及びAIソフトウェア事業会社のインハウスローヤーとして、法務・コーポレートガバナンス実務を企業内から経験。

2021年ライトプレイス法律事務所共同設立。

この記事のまとめ

スマートフォンの普及により、不倫・浮気の連絡手段は急速に多様化しています。

従来のLINEやメールに加え、決済アプリのメッセージ機能マッチングアプリSNSの裏アカウントビジネスチャットツールなど、あらゆるデジタルツールが不倫の連絡手段として利用されています。調査によると、不倫が発覚するきっかけの多くが「スマートフォンを見られた」というデータもあり、デジタルツールから収集する不倫の証拠の重要性は増す一方です。

本記事では、弁護士の視点から、最近増加している不倫の連絡手段の実態、それぞれのツールが証拠として有効かどうか、そして配偶者の不倫を疑った際に知っておくべき法的知識について解説します。デジタル時代だからこそ、証拠収集には適切な方法と法的知識が不可欠です。

目次

PayPayなど決済アプリのメッセージ機能を利用した「PayPay不倫」

近年、法律相談の現場で急増しているのが、決済アプリのメッセージ機能を利用した不倫です。特にPayPayのチャット機能が注目されています。

PayPayには本来、送金時にお礼のメッセージを添えるための機能がありますが、2021年3月からは送金の有無に関わらずメッセージのやり取りが可能になりました。この機能が、不倫相手との連絡手段として利用されるケースが増えているように思います。

なぜ決済アプリが選ばれるのか

決済アプリを連絡手段として選ぶ理由は、LINEやSNSと違い、PayPayの通知が来ても「買い物をした」「割り勘の精算だろう」などと配偶者に思われるため、疑われにくいのです。また、LINEなどのメインの連絡ツールと使い分けることで、配偶者への誤送信のリスクを減らせる、といった事情も理由の一つかと思います。

法的証拠としての有効性

もちろん、PayPayなどの決済アプリ上のチャット画面であっても、不倫の証拠として有効になり得ます。ただし、以前の記事でも繰り返し解説している通り、法律上の「不貞行為」とは肉体関係を指すため、単に親しげなメッセージをやり取りしているだけでは不十分です。

決済アプリに特有の証拠として挙げられるのは、送金履歴自体も重要な証拠になります。例えば、デート代やホテル代と思われる金額の送金が繰り返されていれば、不倫関係を補強する証拠として活用できます。

マッチングアプリを通じた不倫の増加

マッチングアプリを活用した不倫も近年増加しているといえます。

マッチングアプリ不倫の特徴

マッチングアプリは、最初から異性交際を目的としているため、短期間で交際関係に発展しやすいという特徴があります。

匿名性が高く、本名を公開せずニックネームや加工した写真で登録できるため、身元が特定されにくいのも大きな要因です。中には「既婚者限定」を謳うマッチングアプリも存在し、既婚者同士が出会う場として機能しています。

慰謝料請求における注意点

マッチングアプリを通じた不倫で慰謝料を請求する際には、重要な注意点があります。それは、不倫相手が「既婚者であることを知らなかった」と主張する可能性が高いことです。

慰謝料請求が認められるには、不倫相手に「既婚者であることを知っていること」または「知ることができたこと」が必要です。マッチングアプリでは細かいプロセスを経ずに関係が始まるため、相手が「未婚だと思っていた」「プロフィールに未婚と書いてあった」と言い逃れされるリスクがあります。

そのため、証拠収集の際には、マッチングアプリ上のプロフィール設定や、既婚かどうかについてのメッセージのやり取りを保存しておくことが重要です。もっとも、「既婚者限定」のアプリを使用していた場合は、相手が婚姻関係があるとは知らなかった、との言い分は通らないでしょう。

マッチングアプリを使っていて既婚者と不倫関係に入ってしまった場合の対応などについては、以下の記事で詳しく解説しています。

SNSの裏アカウント(サブアカウント)の活用

InstagramやX(旧Twitter)などのSNSで、本来のアカウントとは別にサブアカウント(通称:裏垢、裏アカ)を作成し、不倫相手とつながり、連絡手段として利用するというケースも増えています。

裏アカが選ばれる理由

上述した決済アプリの例でも挙げましたが、自身の本アカウントで不倫相手とやり取りすると、友人やフォロワーに誤送信してしまうリスクがありますし、身近な人に投稿やストーリーを見られる可能性もあります。そこで、不倫相手とだけつながる専用のアカウントを作成することで、これらのリスクを回避しようとするわけです。

また、裏アカウントは非公開設定(鍵アカウント)にすることが多く、フォロワーも厳選されているため、発見されにくいという特徴があります。

証拠としての活用方法

SNSでのやり取りも、不貞行為(肉体関係)があることを示す内容であれば、証拠として有効です。

SNSの投稿から、二人でホテルや宿泊施設に出入りしている様子が分かる場合などは証拠として認められる可能性があります。位置情報タグや投稿時間、写真の背景などから関係を裏付けることができます。

ただし、証拠を集める際には、配偶者のスマートフォンを無断で操作してSNSにログインする行為は、様々なリスクがあるため注意が必要です。

ビジネスチャットツールの利用

SlackやChatwork、Microsoft Teamsといったビジネスチャットツールが、不倫の連絡手段として使われるケースもあります。

仕事を装った連絡として利用されるケース

在宅勤務やリモートワークが普及したことで、ビジネスチャットツールの利用が一般的になりました。これを逆手に取り、「仕事の連絡」を装って不倫相手とやり取りするケースが見られます。

パソコンで仕事をしているように見せかけながら、実際には不倫相手とメッセージを交わしているというわけです。配偶者から見ても、ビジネスツールでの連絡は仕事関連だと思い込みやすく、疑われにくいのです。

証拠収集の難しさ

ビジネスチャットツールを通じた不倫は、証拠収集が難しいという側面があります。多くの企業では情報セキュリティの観点から、業務用デバイスやアカウントへのアクセスに厳格な制限をかけています。

また、業務用のアカウントに無断でアクセスすることは、配偶者であっても法的問題を引き起こす可能性があります。証拠として利用する場合は、メッセージの内容が明らかに業務とは関係ない私的なものであることを示す必要があります。

デジタルツールの証拠を集める際のポイント

証拠を集める際は、以下の点に注意してください。

まず、発見したメッセージや画像は、スクリーンショットやカメラで撮影して保存します。ただし、削除したり改ざんしたりせず、元のデータはそのままにしておくことが重要です。

次に、いつ誰とのやり取りなのかが明確に分かる形で保存します。日時、相手のアカウント名、顔が確認できることが証拠として認められるための要件です。

そして最も重要なのは、証拠を見つけてもすぐに配偶者を問い詰めないことです。感情的に対応すると、相手に警戒されて証拠を消去されたり、不倫相手に連絡して口裏を合わせられたりする可能性があります。

不倫の証拠として認められるための要件

デジタルツールでのやり取りが不倫の証拠として認められるには、いくつかの要件を満たす必要があります。

肉体関係の証明が必須

法律上の不貞行為とは、配偶者以外の者と肉体関係を持つことを指します。したがって、単に親しくメッセージをやり取りしているだけでは、不貞行為の証拠としては不十分です。

肉体関係があったことを示す直接的な証拠としては、性行為の現場を映した画像や動画、ホテルに二人で出入りする写真などがあります。間接的な証拠としては、肉体関係を前提としたメッセージのやり取り、宿泊を伴う旅行の計画や実施が分かる内容などが該当します。

証拠は複数あることが望ましい

一つの証拠だけでは不十分な場合でも、複数の証拠を組み合わせることで不貞行為を証明できることがあります。例えば、親密なメッセージのやり取り、ホテルの領収書、クレジットカードの利用明細、カーナビの履歴などを総合的に見て判断されます。

また、不倫の期間が長ければ長いほど、回数が多ければ多いほど、慰謝料の額は高くなる傾向にあります。そのため、「いつから」「何回」不倫が行われていたのかを示す証拠も重要です。

専門家への相談が重要な理由

デジタル時代の不倫は、証拠の形態が多様化し、法的判断も複雑になっています。そのため、早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士に相談するメリット

弁護士は、どのような証拠が法的に有効かを判断し、適法な証拠収集の方法をアドバイスできます。また、集めた証拠が不十分な場合でも、法律と交渉のプロとして、状況を有利に進める方法を提案できます。

慰謝料請求や離婚を考えている場合、弁護士が代理人となって相手方と交渉することで、精神的負担を大きく軽減できます。感情的になりやすい場面でも、冷静かつ適切に対応することが可能になります。

まとめ:デジタル時代の不倫に対処するために

スマートフォンとアプリの普及により、不倫の方法は多様化し、より巧妙になっています。決済アプリ、マッチングアプリ、SNSの裏アカウント、ビジネスチャットなど、様々なツールが不倫の手段として利用されているのが現実です。

しかし、どれだけ巧妙に隠そうとしても、デジタルな痕跡は必ずどこかに残ります。適切な方法で証拠を収集し、法的に正しく対処すれば、慰謝料請求や離婚といった選択肢を現実的に検討できます

配偶者の不倫を疑った場合、感情に任せて行動するのではなく、まずは冷静に証拠を集めることが重要です。そして、証拠収集の方法や法的手続きについては、必ず専門家に相談してください。

当事務所では、不倫・離婚問題に関する豊富な経験を持つ弁護士が、あなたの状況に応じた最適な解決策を提案します。LINEでご自身のタイミングでご相談いただけますので、まずはお気軽にご相談ください。

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