SNSでの不倫の証拠収集の方法とは?SNSごとの注意点も含めて解説

SNSでの不倫の証拠収集の方法とは?SNSごとの注意点も含めて解説

本記事の監修弁護士:浅尾 耕平

2010年12月弁護士登録(第一東京弁護士会)。大阪、東京に拠点を持つ法律事務所に所属。
労働、商事関係を中心に訟務活動を担当しつつ、国際カルテル事案、企業結合審査等競争法対応、総合商社、メーカー等の一般企業法務等に従事。
2015年から、国内大手調剤・ドラッグストアチェーン企業、及びAIソフトウェア事業会社のインハウスローヤーとして、法務・コーポレートガバナンス実務を企業内から経験。

2021年ライトプレイス法律事務所共同設立。

この記事のまとめ

スマートフォンやアプリなどのテクノロジーの進歩に伴い、SNSやマッチングアプリなどで気軽に異性とやり取りができるようになっています。

ご自身のパートナーがSNSアプリで異性の相手方と不倫を疑う内容、具体的には肉体関係を示すような内容の投稿ややりとりがあれば、裁判で証拠として認められる可能性が高いといえます。

SNSにおける証拠の収集は、改ざんの疑いを避けるため、URL・日時・相手方特定などの投稿に関する情報をしっかり保存しておくことが重要です。証拠の収集にあたっては、法律の専門家である弁護士に相談しながら慎重に進めるのがベストです。

目次

SNSでの不倫の証拠収集のポイント

肉体関係を示す具体的な内容が必要

残念ながら、「好きだよ」「会いたいな」「寂しい」といった感情的なメッセージだけでは、法的には不十分とされることがほとんどです。

裁判所が求めるのは、夫婦以外の異性と肉体関係があったことを明確に示す証拠です。

肉体関係があったことを示すやりとりの例

  • 「昨夜はありがとう、また一緒に過ごしたい」
  • 「例のホテル、今度はもっとゆっくりしようね」

このように、具体的な行為を想像させる表現が含まれている必要があります。

不倫の証拠収集全般については、以下の記事でも解説しておりますので併せてお読みください。

アカウントの持ち主を確実に特定する

もう一つ重要なのが「そのアカウントが確実に配偶者もしくは相手方のものである」ことの証明です。

偽名やニックネームでアカウントを作っている場合、本人であることを証明するのは簡単ではありません。顔写真、投稿内容、フォロー関係などから総合的に判断する必要があります。

SNSごとの証拠の見つけ方

それぞれのSNSには特徴があり、証拠の見つけ方も異なります。効率的に調査するためのポイントを押さえておきましょう。

Instagram

Instagramは写真や動画が中心のSNSです。そのため、不倫の証拠も視覚的に分かりやすい形で残っていることがあります。

チェックポイント

  • 投稿写真の内容(ラブホテルの内装や、不倫の相手方との写真など)
  • 位置情報タグ(投稿された場所を示すもの)
  • ストーリーズの内容(24時間で消えてしまうので注意)
  • コメント欄での親密なやり取りがないか

Facebook

Facebookは実名登録が基本なので、相手の身元がはっきりしているのが特徴です。

チェックポイント

  • チェックイン機能(どこで会っているかを示すもの)
  • 写真のタグ付け(一緒にいたことの証拠)
  • 「限定公開」投稿(家族には見せない特別な関係を匂わせる投稿)

X(旧Twitter)

X(旧Twitter)は匿名で利用できるため、配偶者が「裏アカウント」を持っている可能性があります。本名とは違うアカウント名で、不倫相手と堂々とやり取りしているケースも珍しくありません。

チェックポイント

  • フォロー・フォロワーの中の怪しい異性アカウント
  • リプライで公開されているやり取り
  • DMで送られているであろう内容を匂わせるポスト

不倫の証拠を集めるために、スマホを勝手に見ても大丈夫?

結論、アクセスの仕方によっては違法性を帯びる可能性もあるため「おこなっても絶対に大丈夫」とは言えませんが、現実的に起訴される可能性は高くないといえそうです。

こちらについては、以下の記事でも解説しております。

いずれにしても、証拠収集の可否や手段についてご不安であれば、先んじて弁護士に相談しながら慎重に進めることがベストでしょう。

「改ざんされた証拠」と疑われないために

SNSの証拠で最も注意すべきは「本当にその内容だったの?」と疑われることです。

スクリーンショットの落とし穴

スマホで画面を撮影するスクリーンショットは手軽で便利ですが、実は改ざんが簡単にできてしまうのが弱点です。

画像編集アプリやパソコンでメッセージ内容を書き換えてからスクリーンショットを撮る、といった偽造が技術的に可能です。そのため「このスクリーンショットは加工されているのでは?」と相手方から反論される可能性があります。

実際の裁判でも「メールに変更を加えた跡があり、改ざんされていないと断定できない」として証拠が認められなかった例があります。

より信頼性の高い証拠保存方法

1.動画録画を活用する

スマホの画面録画機能を使って、SNSの画面を動画で記録する方法です。スクロールしながら一連のやり取りを録画することで、改ざんの疑いを大幅に減らせます。

2.撮影環境も一緒に記録

スクリーンショットを撮る際は、スマホの時刻表示、電波状況、バッテリー残量なども一緒に写るようにしましょう。これらの情報が改ざんの反証材料になります。

3.詳細情報の保存

SNSの投稿URLや投稿しているアカウントの情報、投稿日時など、証拠となりうる投稿の詳細な情報については明確に記録として残しておきましょう。

4.連続性の証明

やりとりの前後関係が時系列でわかるようにスクショや録画を複数保存しておきましょう。「やりとりの前後関係」とは例えば、①ラブホテルに行く約束をしているやり取り→②ホテルに行く前の待ち合わせのやりとり→③ホテルに行ったあとのやりとりといったものです。

5.第三者に確認してもらう or 他の記録との照合を行う

可能であれば、信頼できる家族や友人に一緒にSNSの内容を確認してもらい、「確かにこの内容でした」という証言をもらっておくのも有効です。また、通話記録やクレジットカード明細など他の証拠との関連性を示すのもよいでしょう。

配偶者の証拠隠滅を防ぐための対応

不倫の証拠を見つけたことを悟られない

SNSで不倫の痕跡を発見した場合、すぐに配偶者を問い詰めたくなる気持ちはわかりますが、「浮気・不倫がばれてしまった」と配偶者が気づくと、SNS投稿やアカウントの削除や非公開化、不倫相手との口裏合わせなどをされてしまい、証拠を隠されてしまうおそれがあります。まずは冷静に対応しましょう。

そのためにも、不倫と思わしきSNS投稿などがあった場合は、まずその投稿が不倫と判断できる証拠となりうるか、弁護士に確認をとるのがベストです。

SNSで収集した証拠と他の証拠との組み合わせ

SNS投稿の証拠は、それ単体で不倫とわかるものでない限り、不倫を立証する決定的な証拠とはなりにくいものの、他の証拠と組み合わせることで強力な証拠となります。

例えば、ラブホテルの領収書があり、その前後にLINEで待ち合わせのやり取りがあれば、ホテルでの行為を強く推認させることができます。また、探偵による尾行調査で撮影された写真と、SNS上でのやり取りを時系列で組み合わせることで、継続的な不倫関係を証明できます。

不倫開始時期の特定

SNSのやり取りは、不倫関係の開始時期を特定するのにも有効です。メッセージの日付や内容の変化から、関係がいつ始まったかを推定することができ、慰謝料の算定にも影響します。

証拠の証明力を高める方法

より確実な慰謝料請求のためには、SNSの証拠に加えて以下のような証拠を収集することが効果的です。

  • ラブホテルや相手方宅への出入りを撮影した写真・動画
  • 不倫相手からの手紙や贈り物
  • クレジットカードの明細書
  • 行動記録や日記
  • 第三者の証言

まとめ

SNSは現代の不倫・浮気において重要な証拠源となっていますが、その活用には法的な知識と慎重な対応が必要です。証拠として有効にするためには、肉体関係があったことを示す具体的な内容が必要であり、改ざんの疑いを避ける適切な保存方法が重要です。

一人で悩まず、法律の専門家に相談することで、適切な証拠収集と効果的な慰謝料請求が可能になります。

弊所では、不倫・不貞に関するご相談をLINEで受け付けています。今回の記事のように、「この投稿は不倫の証拠になりますか?」といったご相談もご回答可能です。LINEでお気軽にご相談いただけますので、悩まれている方はぜひご相談ください。

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